IMFが現在の株高を警告。企業は業績予測不能

IMF(国際通貨基金)は2020年6月25日に公表した報告書で、アメリカ、日本などの株価が実体経済と乖離して割高となっていると警告を発しています。さて、その心は・・・
株式市場動向と実体経済
実体経済と乖離して、とりわけ上昇したのは新興市場株です。少々下げてはきましたが、アメリカNASDAQ市場、東証マザーズはコロナ騒動前よりも株価が高くなっています。
しかし、実体経済予測としてIMFが掲げた予想数値は2020年の世界経済成長率がマイナス4.9%であり、世界大恐慌時以来の景気悪化となるとしています。
アメリカはマイナス8%、日本はマイナス5.8%と予想されています。当然、企業業績も大きく悪化することは間違いありません。
IMFが独自に開発した株価水準を図る指標によれば現状は最高水準の割高感が出ているとのことです。
現在の株高を支えているのは中央銀行の金融緩和。金融緩和に支えられた株高、いわばバブルです。
企業は現状をどう捉えているか
一方、企業は現状をどのように捉えているのでしょうか。無論、企業は株価の高安を直接コントロールすることはできません。
しかし、業績によって間接的にコントロールすることはできます。そして、通常であれば決算発表時には次期の決算予想を発表するのが普通です。
ところが、2020年3月期の決算発表では次期の予想を出さない企業が相次ぎました。決算発表をした企業のうち、半数以上の企業が業績予想を未定としています。
例年ですと4%程度ですので異様な高さとなります。コロナ騒動による業績への影響が測りかねるというのが率直なところなのでしょう。
そもそも業績予想を出すか、出さないかは自由なのですが、証券取引所や投資家の要請により出してきたのですが、さすがに今回ばかりは無理というわけなのです。
IMFが想定する株価反落のきっかけ
業績の見通しもつかない中での株高。まるで霧の中を走るクルマのようです。
IMFは株価が反落するきっかけを3つ挙げています。
・新型コロナ第二波の発生
・中央銀行の金融緩和への過度の期待がそがれる
・貿易戦争などの政治リスクの発生
・中央銀行の金融緩和への過度の期待がそがれる
・貿易戦争などの政治リスクの発生
です。
いずれにせよ、市場の不透明感は当分の間ぬぐえません。手探りでの投資が続くことになりそうですので無理は禁物なのだと肝に銘じるのであります。
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