第一生命が保険をネットで販売予定。うまくいかないと思うが・・・

スマホ



生保業界で2位の第一生命がコロナ禍の影響で、今年度(2020年度)にも保険のネット販売に踏み切るといいます。

ネット販売といっても、顧客がインターネット上ですべて自分で完結する手法ではありません。営業職員がスマホのLINEやビデオ会議システムを利用し、顧客に説明するというのです。



対面営業に対する逆風


昨今は、共働き世帯の増加で昼間は家に誰もいない世帯が多く、また職場もセキュリティ上、営業職員の入室を禁じるところが増えています。

対面営業が苦戦している環境下において、コロナ騒動がネット販売へと保険会社の背中を一気に押すこととなりました。

第一生命は4万人もの営業職員を抱えています。業界全体ではなんと23万人にもなります。

これら職員にスマホを配り、顧客とビデオ会議で話をし、顧客の状況を聞きながら、それに合った商品を説明をするということになります。

対面ではありませんから、当然紙の資料は使えません。そこで説明資料を電子化し、スマホ営業に合わせた申込書も作成していくといった具合です。

ネットでの生保販売比率


現状でもインタ―ネットで生命保険の申し込みをすることはできます。ネットでの生命保険販売は大きな期待をもって始まりましたが、その結果はさんざんであるといわざるを得ません。

これだけインターネットが普及しているのに、ネット経由での生保加入率はわずか3%にとどまっているのが現状です。

生命保険は、ネット証券を使った株や投資信託の取引と違い、利益を追求するものではありません(楽しくない)。また相場が時々刻々と動き、ネットで急いで注文しなければならないというものでもありません。

損害保険とも違って、必ず入っておかないといけないというものでもありません。

ネット銀行で便利に家で振込ができるといった利便性があるわけでもありません。

要するに生命保険は誰かに背中を押されないと入ろうという気にならないのです。それを支えてきたのが、GNP(義理・人情・プレゼント)による営業攻勢です。

しかし、今の若者は貧しくなって生命保険にまでお金が回らない。ましてやガツガツしたセールスなど大嫌いなので生保加入率は中高年に比べて低いというのが現状です。

ネット生保の苦戦


生保のネット販売の苦戦は、ライフネット生命の契約件数が思うように伸びないことを見ても明らかです。

ただ、ライフネット生命にとって、今回のコロナ禍は追い風となりました。対面販売型の生保が営業自粛する中で、顧客数を伸ばすことができたからです。

2020年4月~6月は、昨年同時期に比べ5割増しといった感じであり、株価にもその好調さが現れています。

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ネット販売は失敗に終わると予想


今回の第一生命の取り組みは結局、失敗に終わると見ます。そもそもどうやって、ネットで説明する顧客を探してくるのでしょうか。

ネットでの説明では中途半端だし、説明を聞くなら対面でとことん細かなところまで聞きたいところです。スマホの小さい画面でそれができるとは思えません。

営業職員が説明を行うのですから保険料が安くなるわけでもないでしょう。その点がライフネット生命とは大きく異なる点です。

第一生命の取り組みは斬新ではありますが、徒労に終わること間違いなしと見ます。

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