金持ち喧嘩せずはホント。相続財産が少ないほど争族へ発展

金持ち喧嘩せずっていう言葉がありますが、これは本当です。相続を見ればそれは明らかです。相続でもめるのは悲しいかな、相続税が発生しない庶民のほうが多いというのが実態なのです。
相続をめぐる紛争の動向
最高裁判所の集計によれば、ここ最近、遺産分割をめぐる紛争が増加傾向にあります。
遺産分割をめぐる紛争は家庭裁判所で処理されますが、遺産分割調停、審判の件数はこの10年で約17%増加しています。
紛争の特徴
昨今の遺産分割をめぐる紛争の特徴として、遺産の金額が少ないほどもめやすいという側面が挙げられます。
家裁での遺産分割調停が成立した件数のうち、相続財産の金額が5,000万円以下の件数が4分の3以上を占めています。
なんと1,000万円以下で3分の1以上を占めているというのですから驚きです。金額が少なければ少ないほどもめやすいと言っても過言ではありません。
相続財産が少ないほどもめる理由その1
まずは、主な相続財産が自宅のみというケースが多いことが挙げられます。誰かが、自宅を相続すると他の相続人は何ももらえなくなってしまいます。
かといって今まで同居していた人が相続するようなケースでは売却してお金を分けるというわけにもいきません。
何ももらえない人と家をもらう人との間で醜い争いが発生するというわけなのです。
相続財産が少ないほどもめる理由その2
また、長引くデフレで実質賃金が下落しており、相続財産を当てにする人が増えているという側面もあります。悲しいかな、親の遺した財産で生活の足しにしようというわけです。
当然、少しでも多くもらいたいというのが本音。まるで獲物に群がるハイエナが肉を奪い合うかの如く醜い骨肉の争いが発生するというわけです。
以下は1991年からの実質賃金の推移を示しています。

(出所:「新世紀のビッグブラザー」三橋貴明氏ブログ)
バブル崩壊で日本経済が大けがをしているにもかかわらず、歴代政権は消費増税や公共事業の縮小など景気に冷や水を浴びせる、頭のおかしな政策を繰り返し、日本人は貧困への道をまっしぐらに歩まされました。
貧しくなればお金が欲しくなるのは当然のこと。まさに貧すれば鈍すなのです。
相続財産が少ないほどもめる理由その3
相対的に富裕層に相続をめぐる紛争が少ないのは相続対策に余念がないという面があります。
あらかじめ、遺言状を書いておいて紛争を未然に防いでおくとか、遺言信託などを使って念入りに準備しておくなど、意識が高いのです。
それに対し、資産が少ない人は少ないからこそ争いになることを考えず、準備をしていない人が多いのが実状です。
貧しいほど争う、まさに皮肉です。
紛争の解決は結局のところ・・・
遺産分割をめぐる紛争の解決の約7割が代償分割によります。例えば、自宅を相続した人がその代償として、自らの資産から他の相続人に現金なりを渡すことで公平性を保つやり方です。
しかし、代償するにはある程度の資産をあらかじめ保有しておかねばなりません。そうでないと自宅を売却してお金にし、分けるしかないといった事態に陥りかねません。
それにしても、血のかよった兄弟が相続をめぐって醜い争いをし、その関係が断絶するなど、悲劇としかいいようがありません。
金持ち喧嘩せず。相続財産など当てにしないで株で大きく儲けられればよいのですが・・・。いや、なんとしても儲けるのだ。儲けるしかないのだ!。
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