疑似バフェット指標(2020年6月末)-法人減税で海外移転阻止の嘘

コロナ騒動の中、今年も半分が終わってしまいました。それにしても、この半年足らずで私たちの生活は一変してしまいました。
夏にマスクをすることなど一部の人を除いて初めての経験ではないでしょうか。今までの常識では考えられなかったことです。
現在の株価水準
さて、6月も終わりましたので、株価水準を確認しておきたいと思います。
(疑似バフェット指標の詳細はこちらをご覧ください。)

企業業績はまったく不透明です。2020年のGDPは6%程度のマイナスであろうと予想されていますから総体的には減収減益は間違いありません。
その割に株価は意外なほどしっかりしています。
しかし、どう考えても割高感はぬぐえないところではあります。今後の注目は大統領選、コロナ騒動の行方、衆院解散の有無、次期首相といったところでしょうか。
トランプ大統領が落選することになれば、日本にとって厳しい局面となると思います。
法人税と消費税の関係
コロナ騒動で現状は滞っているとはいえ、世界の人、モノ、金の移動はここ数十年で一気に容易となりました。
その中で叫ばれたのは、法人税を下げないと企業が世界へ逃げていくという経済界の主張でした。その要請を受け、法人税実効税率は見事に下がってきています。
そして、その対価として差し出されたのが消費税であることは下の税率推移を見れば明らかです。

経済界と政界が結び付き、日本の消費者はその踏み台にされました。
法人減税をしても海外移転が止まらない
さて、経済界の要請どおりに法人税を下げてきたのですから、企業の海外進出は止まったと思いきや、さにあらず。
法人実効税率は下がり続けているにもかかわらず、以下のように企業の海外進出は増え続けています。

(日本貿易振興機構(ジェトロ)のデータを元に作成)
経済界の主張は結果的に嘘であったと言わざるを得ません。
なぜ日本に投資がなされないのか
これは極めて単純な話。日本は経済成長をしていないためです。そして、その理由は政治にあることは間違いないのです。
デフレの中では、個人の消費を喚起し、それにより企業の設備投資意欲を上げる必要がありますが、まったく真逆の政策を取ってきました。
また、民間需要が減っているのですから、政府がお金をバンバン使って公共投資を行わねばならないのに、財政破綻の嘘により財政支出も増えません。
アベノミクスは3本あったはずですが、結局のところ金融政策の1本しか機能しませんでした。日銀の黒田総裁は安倍政権に完全に失望しているのではないかというのが個人的な憶測です。
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