恐るべき巨大衰退産業、自動車業界

自動車



日本の労働者の実に8%以上が自動車関連産業に従事しています。自動車産業は日本の基幹産業なのです。

しかし、その基幹産業が斜陽産業になりつつあります。日本の産業は自動車の一本足打法といわれます。その自動車産業がこければ日本の貧困化が加速することは間違いありません。



自動車産業のルールが変わりつつある


人、モノの移動には自動車は必要です。従って自動車が不要になることは考えられません。しかし、自動車産業のルールが変貌しつつあります。

既存の自動車産業は、多くの下請けというすそ野を持ち、自動車1台には3万点ともいわれる部品が詰め込まれています。

しかし、地球温暖化や劣悪な大気汚染などの影響で欧州を中心に、電気自動車へのシフトが徐々に起こりつつあります。

そして、電気自動車の部品は1万点程度で済むため、自動車が高度な工業品から電気機器のようにコモディティ化して、新規事業者が既存の自動車メーカーに対して挑戦状を叩きつけてくるはずです。

既存自動車メーカー衰退の象徴


象徴的なのは、世界の自動車メーカーの株式時価総額のトップにテスラが躍り出たことです。トヨタをついに抜き去ってしまいました。

既存メーカーの衰退を予言しているかのように思えるのが株式時価総額です。

世界の自動車メーカーの時価総額トップ10の時価総額を足しても、GAFA(グ-グル(アルファベット)、アップル、フェイスブック、アマゾン)、そしてマイクロソフト、どの会社をとっても1社の時価総額に届かないのです。

これは今後の自動車産業の衰退を示していると考えるのが普通ではないでしょうか。

具体的に見てみましょう。

IT企業の個社別時価総額(2020年6月末)


・グ-グル(アルファベット)・・・約100兆円
・アップル・・・約170兆円
・フェイスブック・・・約70兆円
・アマゾン・・・約150兆円
・マイクロソフト・・・約165兆円

落ち目と見られるフェイスブックですら、70兆円もの時価総額となっています。

自動車メーカーの時価総額トップグループ(2020年6月末)


1.テスラ・・・約21兆円
2.トヨタ・・・約19兆円
3.VW・・・約8兆円

以下略

IT企業 VS 自動車メーカー


株式時価総額を見る限り、既存の内燃エンジンを中心とする自動車メーカーはガリバーIT企業と一桁違います。

要因は2つしか考えられません。

・IT企業が過剰に期待されており、バブルに陥っている
・既存の自動車産業の衰退を株価が先取りしている

両方の要素が含まれていると考えますが個人的見解として後者の比率がより高いのではないかと考えます。

まとめ


新興国の自動車普及率はまだまだ低く、コロナ騒動が収まれば再び販売は上昇に転じていくでしょう。

しかし、長期的に見て、自動車メーカーの勢力図の大きく入れ替わる可能性は十分です。ルールが変われば、新しいルールに強い企業が台頭してくるのは世の常です。

日本のメーカーが新たなルールに乗り遅れれば、いよいよ日本の基幹産業である自動車産業までもが衰退することとなり、日本経済の弱体化が加速することになります。

【関連記事】
神の見えざる手?トヨタの低PERが示唆するもの
ホンダ、いち早く自動運転レベル3へ。しかしその先は試練が・・・
中国、インドだけでなく東南アジアでもクルマが売れない
インド自動車市場、ドイツに抜かれ世界5位に転落・・・
中国でもインドでも自動車が売れない。その現状と要因
グーグルが自動運転市場の主役になりつつある
日本にシリコンバレーが生まれないのはなぜか
GAFAがアメリカ株式市場に占める割合


にほんブログ村

世界「新」経済戦争 なぜ自動車の覇権争いを知れば未来がわかるのか [ 川口マーン惠美 ]

価格:1,650円
(2020/7/5 16:54時点)




関連記事

コメント

非公開コメント