auカブコムの取り組みで投資信託の販売業者が増える!

中堅どころのネット証券である、auカブコム証券が2020年7月にも一般の事業会社向けに投資信託の販売システムの提供を開始するようです。
なんと無償で!これは国内で初めての試みです。
これにより、投資信託販売にかかる固定費が大幅に削減でき、投資信託販売業者が大きく増えそうなのです。
金融商品販売法の改正による影響
2021年に予定される改正金融商品販売法により、あらゆる金融商品の販売を仲介できる「金融サービス仲介業(仮称)」という業態が新たに創設される見込みです。
金融サービス仲介業を行うには金融庁への登録が必要となりますが、リスク資産を含めた資産形成が一般的となっている中、多くの一般事業会社が金融サービス仲介業に参入してくると、auカブコム証券は踏んでいるようです。
auカブコム証券が提供するシステム
auカブコム証券の特徴はなんといっても、システムを自社開発していることです。そして、汎用性をもたせるため、他業種でも回線をつなげれば利用できるのです。
例えば金融サービス仲介業に登録した企業は自社でアプリなどを作成し、そのアプリをauカブコムのシステムにつなげばOKというわけなのです。
auカブコム証券が描く戦略
投資のすそ野が広がっている中、目に見えない金融サービスとの親和性が高いIT企業や、広い顧客基盤をもつ小売業などが金融サービス仲介業に参入してくるはずだとauカブコム証券は考えているようです。
投資信託のシステムは現状、証券会社系のシステム会社などが主に提供していますがその導入コスト、運用コストは零細事業者や新規参入者にとっては大きな負担となります。
その隙間を狙ったという戦略です。
無償で提供して収益をどのように得る?
auカブコム証券も営利企業である以上、奉仕活動でシステムを無償提供するわけではありません。
収益モデルは金融サービス仲介業者が受け取る信託報酬です。金融サービス仲介業と信託報酬を折半することで収益を確保する目算です。
このモデルは新規参入する業者にはうれしい限り。システム利用料という固定費がカットできるので零細事業者でも顧客目線で長くビジネスを続けることができるからです。
まとめ
金融業界は法律の改正に、ITの進展が加わって化学反応を起こし、勢力図が大きく変わりました。
そしてこの化学反応は投資家にとって明らかにプラスとなっています。
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