自動車黎明期、電気自動車はガソリン車よりも普及していた!

電気自動車は極めて最近登場したと考えられがちですが、意外なことにその歴史はかなり古く、今から100年以上前に存在していました。
そして、自動車普及当時はガソリン車よりも普及していたというのですからいささか驚かされます。
電気自動車への期待の象徴
先日(2020年6月下旬)、電気自動車メーカーであるアメリカのテスラがトヨタ自動車の株式時価総額を追い抜いたのは、時代の象徴ともいえる出来事でした。
電気自動車という新たな産業が今後の世界を席巻することを予見するかのようです。
しかし、意外なことに電気自動車はなんと100年以上も前から存在しており、自動車産業黎明期には、ガソリン車よりも生産台数が多かったというのですから驚きです。
電気自動車の歴史
電気自動車のアイデアはなんと250年前には存在していたといいます。あのポルシェが最初に作ったのも電気自動車なのです。
世界で初めて、時速100キロを超えたのも電気自動車でした。
1900年当時のアメリカで生産された自動車のうち、蒸気機関を利用した蒸気自動車と電気自動車が4割ずつ、ガソリン車はわずか20%程度だったのです。
ガソリン車普及への壁
ガソリン車普及の障壁となったのはエンジンの小型化が難しかったことです。
エンジンの小型化よりも、電気自動車に使うモーターや電池の小型化の方が容易だったために、ガソリン車は電気自動車に遅れをとることになったのです。
しかし、電気自動車にも弱点がありました。それは今だ完全には解決されていない問題でもあります。
まず電池が重いこと、そして走行距離が短いことです。
電気自動車の限界と衰退
産業が発達するにつれ、電気自動車の弱点は致命的となっていきます。人とモノの移動の距離が長くなるにしたがって電気自動車は役立たずの存在と化していきました。
そして、電気自動車の衰退にとって代わるかのごとく、ガソリンエンジンの小型化と量産化に成功したのです。
量産化により価格も大きく下がり、ガソリン車が一気に普及していくことになります。
ガソリン車普及の貢献者
ガソリン車の普及を決定的なものにしたのが、1908年に発売されたT型フォードです。
大量生産を可能にし、価格が一気に下がることで世界で1500万台以上販売されました。
T型フォードの普及により蒸気自動車、電気自動車は完全に駆逐されてしまったのであります。
ガソリン車普及の裏の貢献者
ガソリン車が勢力を拡大した影の貢献者がいます。石油メジャーの存在です。
石油をがぶ飲みしてくれるガソリン車は石油メジャーにとって最大のお得意様となりました。
石油メジャーと自動車メーカーがタッグを組んで世界の資本を独占していくという流れがすっかり出来上がり今につながっているというわけです。
今後の自動車産業は・・・
すっかりガソリンエンジンに染まってしまった昭和世代に今後の自動車産業を見通すことは困難なのです。
クルマといったらガソリンエンジンなのです。そこに合理性や論理はありません。単なる好みの問題なのです。
だからして電気自動車などに夢も感じないし、乗りたいとも思いません。今後の自動車産業の行く末は若い世代にゆだねるしかないと感傷にふけるしかないのでした。
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