株式をもたざるリスク、長期推移で明らかに

ここ20数年にわたる日本のデフレは、資本主義社会における資産価格の長期推移をみると異常であることは間違いありません。
資産価格の長期推移
1997年のデフレ元年以降、日本では現金、預金の価値が相対的に上がり、モノや株の値段は下落基調をたどってきました。(株は上げ下げを繰り返しつつ)
待っていればより安く買えるのですから、お金を使おうというインセンティブが働かない。しかし、これは一時の異常事態である可能性は十分です。
以下は1800年以降のアメリカの資産価格の推移を表しています。

(出所:株式投資第4版(ジェレミー・シーゲル氏))
1800年に1ドルをタンス預金していたら、今の価値は実質的に100分の1以下になってしまいました。
当時1ドルで買えたものが今は100ドル以上出さないと買えないという悲惨さです。
株は?債券は?金は?
一方、最も資産価値を増やしたのが株式です。経済成長に合わせ、株価が上がり配当も出る。
株式はなにしろインフレに強いという特徴があります。
債券も増えてはいますが、物価上昇に比べてたいした増え方ではありません。
1ドルの価値が100分の1以下になっているため、長期国債が約1,000倍になっていますが、実質的には10倍にしかなっていません。
200年で10倍では報われない。
金に至ってはまったく増えておりません。そもそも金には利息がつかないという弱点があります。
金の動きの背景は・・・
金の価値は2度大きく動いていることが見て取れます。
1度目は1930年代、2度目は1970年代です。いずれも金本位制が廃止されたことと大いに関係があることは間違いありません。
金本位制は貨幣の発行に金という物理的な制約を受けるため、デフレに直結することがよくわかります。経済活動の量は、金の採掘量と完全比例するわけではないため、金本位制にはもともと無理があるといわざるを得ません。
その意味では暗号資産(仮想通貨)も金本位制同様の問題を抱えており、貨幣として広く流通することはないはずです。
長期投資ではやはり株式が有利
それにしても株式の資産価値の上昇ぶりには目を見張るものがあります。
世界大恐慌や世界大戦、ブラックマンデーやリーマンショックなど数多の危機にさらされ、暴落の憂き目に遭うことことがあっても長期で見ればもっとも資産価値を上昇させています。
現金の実質的価値が100分の1以下に下落している一方で、株式は少なく見積もっても実質的価値を500倍以上にしています。
当時1ドルで買えた量の500倍の量のモノを買うことができる計算です。すごい!
やはり投資は長い目で見なければなりません。そして圧倒的に有利な立場に立っているのは若い人です。多少のショック安はいずれ時間が解決してくれる可能性が大きいからです。
株式投資を始めるなら若い方が確実に有利であることは歴史的に見て間違いありません。
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