インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人の運用報告でオフィス市場を占う

先日、インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人(3298)から資産運用報告が届きました。
コロナ騒動後のオフィス動向の把握すべく、その内容を読んでみました。その結果は・・・。
インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人
インベスコは大都市圏の大規模オフィスを中心に投資しているのが特徴です。保有物件の写真を見ても大きくてきれいなオフィスビルばかり。雑居ビル的なオフィスビルは皆無といっていいでしょう。
投資口価格が1口1~2万円台で、少額でも手掛けやすい銘柄です。コロナ騒動前には24,000円台にまで上昇しました。
個人的にもかなりの含み益となりましたが、その後急落。現在は含み損に転落しております(涙)。

チャートを見れば一目瞭然、戻りが鈍い。もっとも2017年から(とりわけ2019年)上がり過ぎていたという見方もできるのですが・・・。
テナントへの影響は限定的との認識
以下はインベスコの運用報告から読み取れる内容です。
・インベスコの保有物件の大口テナントでは2020年6月1日現在で新型コロナによる大きな影響はでていない
・2020年5月の賃料回収率は99.2%であった
・新型コロナの影響で業績に影響が出ている一部テナントからは賃料支払猶予や減額要請等をうけている
・2020年5月の賃料回収率は99.2%であった
・新型コロナの影響で業績に影響が出ている一部テナントからは賃料支払猶予や減額要請等をうけている
となっています。
支払猶予、減額要請の具体的内容
それではどの程度のテナントから支払猶予や減額要請等が出ているのでしょうか。以下はそのポイントです。
・532テナント中、49テナントから支払猶予または減額要請等があった
・既存テナントのうち、1.4%(賃料ベース)から解約が発生している
・既存テナントのうち、1.4%(賃料ベース)から解約が発生している
新型コロナの影響を大きく受けているテナント
またどのようなテナントが新型コロナの影響を色濃く受けているかが具体的に書かれています。
・サービス業(レジャー、ホテル、人材派遣、美容)
・外食業
・小売業(クリーニング、スクール、その他食品以外)
・外食業
・小売業(クリーニング、スクール、その他食品以外)
賃料が高いテナントほど物件の解約が多くなっているようです。当然といえば当然です。
インベスコが考える今後の分析と方針
インベスコの報告では、意外なほど強気な印象を受けます。以下はそのポイントです。
・今後の解約を一定程度見込み、解約後の新規リースアップを見込まない保守的想定でも2020年10月期の平均稼働率は99.3%、2021年4月期は97.3%を維持できる見込み
・テナントの賃料負担力の状況により、賃料増額交渉をケースバイケースで推進する
・テナントの賃料負担力の状況により、賃料増額交渉をケースバイケースで推進する
一定程度の解約の「一定程度」が明らかとなっていませんし、このご時世に賃料増額を受け入れる企業があるとも思えないのでいささか虚勢を張っている印象を受けます。
2020年4月期に契約更新したテナント101件のうち、54件は賃料値上げを受け入れたようですが、その交渉はコロナ騒動前の話だろうと思います。
今後はそうはいかないでしょう。テレワークの進展によるオフィス市場の環境変化に関する言及もなく、大都市圏のオフィスビルは今後も必要不可欠で魅力的であり続けると考えていると書かれています。
投資家向けなのであまり弱気なことは書けないのだろうと思います。しかしちょっと時代の流れとはギャップを感じざるを得ません。
まとめ
コロナ騒動でオフィスを取り巻く環境は大きく変化しています。インベスコはその流れには乗らない逆張り戦略をとろうとしているようです。
それが吉と出るか凶と出るか・・・。個人的予想としてはかなり厳しいだろうという印象です。投資口価格の推移がそれを如実に表していると見ます。
追加投資は石橋を叩きつつといったところです。
投資は自己責任で!
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