現代版人身売買。人材派遣は常用型派遣に一本化すべき

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人材派遣業などともっともらしいネーミングはついておりますが、要は現代版の人身売買。それが人材派遣の実態だというのが個人的見解です。

人手が足りなければ出前のごとく発注し、景気が悪くなったり、気に要らなければ、契約終了でハイさよなら。とても同じ人間がやるべきこととは思えません。

しかし、これだけ社会に浸透すると一気に無くすことは不可能。とはいうもののやるべきことはあります。人材派遣をより人間的なものとするためには派遣の形態を常用型に限定すべきだと考えるのです。



新型コロナのしわ寄せは非正規雇用者へ


新型コロナ騒動により、経済活動は激減しています。

そして、そのしわ寄せは派遣社員を含め、非正規雇用に集中しています。それは以下のグラフを見れば明らかです。

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(出所:総務省統計局)

2020年4月には非正規雇用者がなんと100万人以上減少しています。一方で正規社員は減るどころかむしろ増えている。5月も非正規は50万人以上減少していますが、正規雇用は減っていません。

非正規雇用者を調整弁に利用して、正規雇用を守っているという図式なのです。

正規・非正規で日本社会が分断化


これでは日本社会は分断化してしまいます。まるで日本の中に社会が2つ存在するかのようです。

派遣社員はいつも大きな不安を抱えながら仕事をしています。一生懸命頑張っても、派遣先の業績が悪化したり、事業から撤退すればあっさり切られてしまうからです。

派遣社員を受け入れている企業の社員は、本人ではなく派遣元の担当者なりに契約更新しない旨を伝えるだけなのですから心理的抵抗も少ない。

まるでいらなくなった家財を処分するかのように、人を切り捨てることができるのです。冷酷そのものといった仕組みです。

そして、切られた派遣社員は収入が途絶えてしまうのですから生活が成り立たなくなってしまいます。

労働者派遣の形態


ところで派遣の形態には以下の2つがあります。

登録型派遣
派遣期間を設ける一般的な派遣。派遣元企業と派遣スタッフが雇用関係を結び、実際の指揮・命令は派遣先企業からなされます。派遣期間が満了し、更新がされなければ、新しく仕事を探すことになる。この間給与は支給されない。

常用型派遣
派遣スタッフが派遣元企業へ常に在籍し、仕事があるときもないときも給与をもらえる。登録型派遣では、派遣期間が満了すると派遣元企業との雇用契約もいったん終了するが、常用型派遣では、派遣期間が終わっても、派遣元企業との雇用契約は継続し給与が支払われる。

従来、常用型派遣は専門性を有する優秀な人材を柔軟に活用したいという企業のニーズに応えるべく、エンジニア系の理系専門職を中心に広く利用されてきました。

しかし、2015年の制度改正により常用型派遣がエンジニアだけでなく、事務、介護など、さまざまな職種に広がったのです。

無期雇用派遣が誕生


さらに常用型派遣の中に新しく生まれた働き方が無期雇用派遣といわれるものです。

無期雇用派遣の特徴
・派遣会社に採用された時点で、派遣会社と期間を定めずに雇用契約を結ぶ
・派遣先での派遣期間が終了しても、派遣会社との雇用契約は維持される
・派遣先での勤務が中心だが、派遣会社での勤務や待機があり、その間給与が支払われる

常用型派遣社員として働けば、正社員と同じように賞与や昇給、福利厚生を受けられるというメリットがあります。派遣先への派遣期間が短くても、安定した給与を受け取ることができるため、生活が安定します。

また、登録型派遣では3年までしか同じ会社(別の部署へ移ればOKではあるが)では働けないという3年ルールというものがありますが、常用型派遣は同じ派遣先で3年超働くこともできます。

現状、2割弱の派遣社員が無期雇用派遣で働いている模様です。

常用型派遣のメリット


常用型は金銭面での待遇が良いのも特徴です。ボーナスや交通費といった手当もあり、登録型より待遇が良いのが一般的です。

また、当然のことながら常用型派遣は雇用が安定するというメリットがあります。契約が切れたら雇用の無くなる登録型と違い、常用型は派遣元を退職するまで雇用期間が続きます。

常用型派遣のデメリット


一方で、常用型派遣は派遣先企業の正社員になりにくいといったデメリットもあります。

常用型の派遣社員が派遣先の企業へ転職してしまうと、派遣会社は継続してお金を落としてくれる社員を失うことになるからです。

派遣先としても派遣会社との関係が崩れないよう、滅多に引き抜きを行うことはありません。

それでも常用型のほうが人間的


上記のデメリットがあるとはいえ、よりベターなのが常用型であることは間違いないと思います。

都合が悪くなれば切られてしまい、次の派遣先が決まるまで給与はおろか、社会的なつながりまでもが閉ざされてしまう登録型はあまりに冷酷です。まさに現代版人身売買なのです。

人材派遣業者はせめて自らの大事な商品でもある派遣社員の生活を保障すべきだと考える今日この頃なのです。

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